大河ドラマ「龍馬伝」まとめ感想など

Jリーグも開幕したし、毎週ごとに感想を書いていくわけにもいくまい…というわけで、既にここ何週か書いてなかった龍馬伝の感想などをまとめて。各回のつっこみとかは、ついったーで実況してるから、もういいやという気になってきましたw なので、ここまででちょっと気になったことなど。主には第10回「加尾の覚悟」絡みになるんですけどね。


今年の大河、悪くはないなと思って見てるんだけど、ラブロマンスを絡めて主人公の人柄や成長を描こうとすると、陳腐になりがちだな〜というのを今回しみじみ思いました。ラブロマンスつか、恋愛要素自体は、お茶の間大河ドラマ的にもやっぱり入れておかねばならん要素だっていうのは分かってるので、それ自体は構わないんですが。

多分加尾が広末的な意味でも叩かれるんだろうなーと思うのだけど、私はどっちかっつーと今回については、龍馬が叩かれてしかるべきなんじゃないの…と思って観ておりました。

今回、うちの家族のひとりが「今回の龍馬って、広末と結婚するために土佐に戻ってきたんでしょ?」と言ってて、えーっ、やっぱりそうだよね、そう見えるよねー?てかそのつもりで書いてるなら問題だよね…と思ってちょっと愕然としたのです。だって、それじゃ2度も江戸に行って学んできたことって何だったの?て思うよね。桂さんや、松蔭、黒船に出会って、千葉道場で剣とはなんだと自覚して、諸々得たものは何だったのでしょうかね…っていう。

今回の見せ方では、江戸で学んできたのは自由恋愛でござる!!みたいな流れになってしまってるのが一番マズいと思うんですよね。恋愛要素を絡めるのはいい。ただ恋愛的な流れになったとしても、どこかに「政治的な視野」ていうのは絶対欠かさないで欲しかった。坂本龍馬が自由っぽかった人とは言え…時代的にそれは有り得ないよね。大事なもの(今回の場合は加尾)を守ると「この剣に誓った」の台詞が悲しかったねー。江戸で開眼した時、それは多分己の在り方とか、日本とかだったと思うのだけど…

攘夷という思想に偏って、龍馬とは考えが大きくズレ始めている武市だけど、そこには強烈な志がある。収二郎もそう(土佐にいる限り加尾は虐げられる、的な台詞のシーンはすごく良かったと思う)。最終的に、私には出来ない生き方を、と龍馬に託した加尾ですらそう。今の時代や自分の立場がどうあって、というのを自覚してる台詞なのが分かった。


それが今回、龍馬についてだけは感じられなくて、ただ、加尾は俺が守る、というわれても、周りが見えていない男にしか見えてなかった。私の見方が足りなかった…とはちょっと思いがたい。ここは、本来、全く逆でないといけない。何故幼なじみを犠牲にしなくてはならないのか、そんな状況になっているのは何故で、それをどうにかするためにはどうしなければいけない、というのを把握してるからこその(江戸で何かしら得た視野があるからこその)龍馬の反発でないといけない。それが上手く描けていなかったんじゃないかなぁ。吉田東洋をもう少し上手く絡めてこれればよかったんだよね…(武市との話し合いの時にね)。

ここが上手くかけていないと、次回からの展開で「失恋を経て龍馬悟る」な流れになるよね…とそれが…痛い…心配…。まぁ、それはそれでいいのかもしれませんが。でも江戸修行時代が一気に陳腐になるよね…貞吉さん嘆いちゃうよ。


で、その主人公の福山・龍馬について。今回の感想はそんな感じでしたが、今日たまたま友達と、福山版龍馬ってどう?みたいな話になり…私はいまんところ、司馬先生の「竜馬がゆく」しか読んだことないので、相対的な判断が出来ないのだけど、とりあえず皆共通して「物足りない」感はあるよう。JIN(観てない)の龍馬が良かった、というのはよく聞くのだけど、今日友達が「あれはでも、もう完成された龍馬だから」と言っていたのが印象的。そうなんだよねー、まだ成長途中なのです。だから、これも何度か書いてるけど、福山龍馬についてはまだ評価は保留かな。今回は良くなかったけどねw(脚本のせいと言われればそのような気もするけど)ちなみに司馬先生版竜馬は、あれは魅力的に書ける司馬先生のテクニックが凄いのでしょうが、キャラ的にはズルすぎるよね〜何やっても許されるタイプだからなぁ。小説っていうのもあって、竜馬のその時その時の考えも充分に書けているしね。ちなみにもちろん、そんな司馬先生の竜馬も好きですよ。


武市さんについては、この前の2話程で、なんか一気にテロリスト一直線に落ちたなー、もっとちゃんとした「武市先生」的なサイドも見せて欲しかったのだけど…と思っていたら、今回で割とまだ葛藤だらけの武市が描かれていたのでちょっと、それは良かったかな。ただねーここでまたねー龍馬がね。武市は龍馬の考えも分かった上で自分の志を持って、それがズレてきているのだ、という意識はあると思う(まだブレてるけど)。私が残念に思うのは、龍馬も「現在の」武市を、一旦受け入れた上での批判というものをして欲しかったな、と。頭ごなしに否定じゃなくてね…。大森さんが演じてるから武市贔屓なだけの気もしてきましたが……w うん、自覚はしている…。


まぁ色々書きましたが、天地人の時は既に全てを諦めて観ていたので、期待している分、色々書いてみた、ということで。はい。また来週も楽しみにしています。