2010Ｗ杯 日本vsカメルーン

この日の3試合目、イタリアvsパラグアイも観てから寝よう、と思っていたのだけど、起きてる力がないくらいに疲れてしまったので、寝てしまいました…。

前半、試合の入りは、日本もカメルーンもとても慎重。サイドもDFも丁寧に守備をして、1対1ではなく常に複数人で守備の形を作りカメルーンの攻める形を潰していたので、いいぞ！と思う反面、この集中力が90分続くわけがない、守備陣がこの集中力を発揮している間に、なんとしてでも先制点をとらないと、と思っていた、前半39分。遠藤のパスが起点になって、松井、最後には本田が落ち着いてボールを浮かせるように蹴り込んで、ゴール！！

今回、先制点をとられて、それを逆転して勝った国はまだいないはず。多分どんなに強豪でも、初戦の入り方というのはそれだけ難しいのだと思う。だから、どうしても欲しかった先制点。

それでも、後半、日本もしんどくなった。今回明らかにカメルーンも良くはなかったけど、前半右サイドに固定されていたエトーも度々前に顔を出すようになったし、日本のラインも下がって、前半の集中力を発揮した守備より、「耐える」という表現の方が似合う守備になった時間もあった。

時間が経つにつれ、これで追いつかれたら気持ち的にもがくっと崩れる恐れがあるし、絶対失点はしちゃいけない、と思えば思うほど、観ているこっちもしんどい。後半は前半の1.5倍くらいの長さに感じました。クロスバーに助けられたシュートもあったりしたけど、日本は耐えきって1-0での勝利！！

海外開催のW杯で、初めての勝ち点3。カメルーンの調子、W杯はこれで終わりではなくて、GLもまだ2試合あること、色々差し引いても、それでも、ものすごく嬉しい勝利だった。

と、客観的に書いてみたのですが、どういうテンションで書いていいのか分からないんですよね。とにかく試合前は、とにかく遠藤がW杯のピッチに立ってくれれば、という思いが強くて、代表ユニを着て入場してきた遠藤を観て、ドイツでの思い出とか、肝炎のこと、五輪のこととか、本当に色々思い出して涙腺が緩んだりもしたんですが…。でも、試合に入ったら、そういう感傷は消えてしまったしね。

今回思ったのは、自分で思っていた以上に、4年前のドイツでの思い出は自分にとってショックで、やはり代表に対してとくにこの4年、複雑な思いしか抱けなかったのは、ずっとそれを引きずっていたんだなということでした。自分ではそんなに意識していなかったんですよね。ドイツ大会は終わったことだし、日本はアレだったけど、他の試合はすごく楽しかったし、ドイツ大会、楽しかったよー！と。W杯なんだよ、海外の試合も観ようよ！楽しいよ！と。

それは自分にずっと言い聞かせていたのかも。あのとき日本代表だけを見続けるのは確かに辛かった。でもサッカーってそれだけじゃないよ、他の国だって楽しいんだと、それは勿論間違ってないけど、そう思おう、とコントロールしてた部分はあったんだろうな。自分で思っていた以上に、ドイツ大会の日本代表の姿がショックだったんだなぁと、今回の勝利で嬉しかった分、ドイツ大会の悔しさだとか悲しさだとか、そういうのがばーっと蘇ってきて、あぁ、あの時からずっと繋がっていたんだなぁ、と思いました。

そして、W杯で受けたショックは、また、W杯の代表の戦いでしか乗り越えられないんだな、と思いました。ただ、ドイツ大会で私が受けたショックは、日本代表の現実だけじゃなくて、一番応援していた選手にとってもすごくショックな試合になったこと、出て欲しかった選手が出場出来なかったこと、と、色々とありました。

あのダメージを受けた日本代表が、またW杯という場に来て、決して華やかな大勝利というわけではなく、苦しい試合だったけれど、勝ち点3という結果を手にしたこと。それは乗り越えられた傷の一つ。でも、こんなに嬉しい勝利を観ても、やっぱり消える事はない傷があるんだ、ということも実感しました。

まさにW杯悲喜こもごも！でも、今回それが分かってよかった。代表についての気持ちが少しは整理出来たかも。複雑なのは変わらないけど。

私は前回のエントリで「日本代表を信じる、というのには違和感」と書いて、あの試合が終わったあと、その言葉が間違いだったか？今では信じられるか？ともう一度自問自答してみましたが、
やはり答えはノー。

代表に対しては、もし信じる、といったとして、その結果が得られなかった場合、私は代表に裏切られたことになるのか？と。そうじゃないよね。それは関係ないんだ。それでも愛憎つきない、ほんとに複雑な気持ちの対象ですよ。「私にとって日本代表とは」という答えはまだ出せません。

ただ、前回とかぶるけど、やっぱり私はそれでも応援するんだろうなぁ。オランダ戦も、デンマーク戦も、カメルーン戦よりぐっと難しい試合になるだろうけど。

しっかり代表の試合を観てよかった、と、今回の試合は、それにつきました。
日本代表も、ようやくW杯開幕！！