2010年W杯南アフリカ大会 ドイツvsアルゼンチン

いくらタコのパウル君の占いの結果ががアルゼンチン戦もドイツの勝利!と出たところでそんな簡単にいくかいな…とは思っていたアルゼンチン戦。


先制点を早々にミュラーがとって、展開が楽になるかなとは思ったけど、前半は、まだ分からんな、怖いなぁと思って観てました。アルゼンチンも攻めあぐねていたというか、ドイツがしっかり止めていたので、ボコボコに失点しそう、というような不安はなかったのですが、さんざん言われているように「個の力」だけで判断した場合は、やはりアルゼンチンの方にやや有利なんだろうなと思いましたし、1点返されでもしたら、試合展開もどう転ぶか分からないなぁと思っていました。


ここまで世代交代での若さが上手く出ているドイツ代表ですが、ベテランと呼ばれる選手が幾人か居ない中での不安を強いて言うならば、「精神的主柱」というような存在が居ないことかな、と思っていました。クローゼも素晴らしいストライカーだし、レーヴも良い監督だとは思うんですが、絶対的な存在!というとちょっと毛色が違う気がします。勝っている時は良いのですが、もし劣勢になっている時に、この人がピッチに居てれば大丈夫、というような存在がいなければ、気持ち的に持つだろうか、と、まぁ、しょうもないことが不安だった日本人の私です(バラック好きだしね…)。


しかし、そんな不安もとりあえずは無用でした。アルゼンチン相手にあの運動量での組織的な守備、体力的にもすごく消耗したと思うのですが、ドイツの集中力が切れる場面はほとんどありませんでした。シュバインシュタイガーに至っては、イングランド戦でもルーニーをしっかり抑えていましたが、それに引き続き獅子奮迅の働き。彼は、4年前、W杯直前の親善試合でやらかした加地へのタックルのせいで、日本人、特にガンバサポからはやっぱりまだ恨まれてるんだろうなぁ。「良い選手だね〜!」という評価をあまり聞いたことがない…(ライターさんとか解説の方じゃなく、一般のサッカー好きの人からw)。すごく勿体ない気がします。試合を観てて、MOMは2得点のクローゼになるのかなぁ、でも、貢献度からいったらシュバインシュタイガーじゃないのかな、と思ってたら、やはりこの試合MOM!文句なしですね。守備が出来る、攻撃参加も出来る。1撃持ってる。良い選手だと思います。





これらを見ていて、思い出すのが、2008年のユーロです。あの試合は、本当にお世辞にもバラックが良かったとはとても言えなかった。不調のバラックに引きずられて、シュバインシュタイガーとラームの良いところが出なかったんじゃないか、というのが私のユーロの印象で、結局、レーヴがバラックと心中したみたいな形になってしまったんではないか…と思っていました。勿論、バラックが代表でずっと悪かったわけじゃないですけれども。


ただ、FA杯での怪我のあと、もしもW杯にギリギリ間に合ってバラックが出ていたとして、それでもベストコンディションでなく、ユーロの二の舞になってしまったら…と考えると…。結局、出ていたら、怪我が治っていたら、とかは、分からなくて、今の状態は結果論としてしか言えないのですが。でも、バラックは、プレーの華やかさであったり、ダイナミックさであったり、献身さであったり、1人でそういう面を担えていた選手だと思っています。その彼が欠場したことで、結果として、そういう部分がそれぞれ、他の選手がもっていた良い部分として開花して活きていったんじゃないかとは思います。皆生き生きとプレーしています。バラックが今後も居ない方がいい、と言っているわけでもないのですが、うーん、これは、嬉しくもあり、本当に複雑なんだけれど。


そのバラック、数日前から南ア入りしていて、この試合をスタンドから観戦する姿がTVにも映っていましたね。試合終了間際はドイツの勝利を確信して、とてもリラックスした表情をしていたけど、やっぱり心のどこかで「悔しいな」という気持ちは絶対あると思うのです。だってまだバリバリの現役の選手なんですから。バラックは、でっかい人だし(背だけの話じゃないよ)、ドイツ代表のキャプテンとして腐ったような発言はしない選手ですけど…。バラックが感じているであろう悔しさとか、怪我が治ったら自分も、という気持ちが、今後の彼のサッカー人生に、どうか上手く活きますように、と、願うばかりです。でも、バラックが来てるんだなぁと思うと、やっぱり安心する部分はありますね。


話がバラックに逸れすぎましたw 前半は、先述の通りにどうなるか分からないし、後半に疲労がどかっと来るんじゃないかという不安もあって、手放しで「ドイツつえー!」とも言えなかったのですが、後半になってもドイツはしっかり守って攻撃、という形が崩れませんでした。あそこまで相手チームの良さを消してしまうプレイ、対戦チーム応援してる人は、嫌なんだろうなドイツのサッカー…と思って観ていました。いや、私はでも、そういう意味(相手の良さを徹底的に消す)では嫌かもしれないですが、今のドイツのサッカーは面白いというか、純粋に「すごい」と思います。


体力、集中力。テクニックについても、テクニックは南米!と言われてる印象ですが(勿論それは否定しませんが)、あのスピードのあるカウンターでボールコントロールして最後確実に決める、というのって、スゴイことなんじゃないかしら。最近「止まってないとボール受けられへんのかーい!」みたいなチームをよく見ていたもので…w


後半は、ゴールも素晴らしかったけど、個人的には4点目のエジルのふわっと出したアシスト!の、あのボール!を見られて幸せでした。メルテザッカーの顔面ディフェンスも…。メルテザッカーって、ちょっと前まで「デカイだけで守備イマイチ」っていう印象があったんですが(すいません)、今大会、頑張ってますね。成長してるんだ皆…GKのノイアーもしっかり集中してボールを確実に止めているし。


試合は4-0での勝利でした。えーと、オーストラリア戦、イングランド戦、そしてアルゼンチン戦と、いずれも4得点で勝ってるドイツの試合にある共通点があるのにお気づきですか?この3戦はレーヴ&コーチのファッションが「ジャケット+青いセーター(?)」なんですねwww絶対験担いでると思うんだけどなーーどうかなーーー!て、しょうもない話でスミマセン。


アルゼンチンの敗退で、メッシ(得点出来なかった…)や正直監督のマラドーナの一挙一動が見られなくなるのは寂しいのですが、ドイツ大会の時、90分でつけられなかった勝利をきっちり決めてくれたドイツ、良かったと思います。


次は、例の2008年ユーロのリベンジ!!と言われまくってるスペインが相手です。ユーロの時はトーレスの1点でやられました。今回はどうでしょう。全力で行って欲しいと思います。


このあたりまで試合がすすんでくると、怪我とかのコンディションが心配。ミュラーは累積で出場停止だし…。でも皆、怪我せずに、出来る限り良いコンディションで、良い試合が出来ますように!